サブネッティングの手順は分かったつもりでも、初見の問題を制限時間内に正確に解けるでしょうか?
「分かる」と「解ける」の間には大きな差があります。このレッスンは、その差を埋めるための実戦ドリルです。焦らず、必ず自分の手でマジックナンバーを計算しながら読み進めてください。
このレッスンはドリル専用。まず型を再確認
前回学んだマジックナンバー方式の型を、もう一度確認しておきましょう。
- マジックナンバー = 256 − マスク値 を出す
- マジックナンバーの倍数で区切りを並べる(0, 倍数, 倍数×2…)
- 対象アドレスがどの区間に入るか探す
- 区間の始まり = ネットワークアドレス、次の区切りの1つ手前 = ブロードキャストアドレス
- 有効ホスト数は 2^h − 2(hはホスト部のビット数)で検算する
この型を使って、CCNA試験で実際に問われる5つの出題パターンを、順番に解いていきます。
パターン1:ネットワークアドレスを特定する
問題例:172.16.130.10/20 のネットワークアドレスはどれでしょう。
解説:/20 は第3オクテットが変化するマスクです。マスク値は 255.255.240.0 なので、第3オクテットのマジックナンバーは 256−240=16。区切りは 0, 16, 32, 48, 64, 80, 96, 112, 128… と並びます。対象の第3オクテット「130」は 128 ≤ 130 < 144 の区間に入るので、ネットワークアドレスは 172.16.128.0 です。
172.16.130.10/20 のネットワークアドレスは?
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マジックナンバーは256−240=16。区切り0,16,…,128,144のうち130は128以上144未満に入るので、ネットワークアドレスは 172.16.128.0 です。
パターン2:有効ホスト範囲を特定する
問題例:192.168.20.50/27 の有効ホスト範囲はどこからどこまででしょう。
解説:/27 のマスク値は224、マジックナンバーは256−224=32。区切りは0, 32, 64… と並びます。50は32以上64未満の区間に入るので、ネットワークアドレスは 192.168.20.32、ブロードキャストアドレスは次の区切り64の手前で 192.168.20.63 です。したがって有効ホスト範囲は 192.168.20.33 〜 192.168.20.62(2^5−2=30台)です。
192.168.20.50/27 の有効ホスト範囲は?
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マジックナンバー32。50は32〜63の区間。ネットワークアドレス192.168.20.32、ブロードキャストアドレス192.168.20.63。有効ホスト範囲は 192.168.20.33 〜 192.168.20.62(30台)です。
パターン3:必要サブネット数からプレフィックスを決定する
問題例:192.168.1.0/24 を、最低6つの部署(サブネット)に分けたいとき、使うべきプレフィックス長はどれでしょう。
解説:サブネット数は「借りたビット数s」で 2^s 個作れます。6つ以上必要なので、2^s ≥ 6 を満たす最小のsを探します。2^2=4(足りない)、2^3=8(6以上を満たす)。したがってホスト部から3ビット借りる必要があり、/24 に3を足して /27 になります。/27 なら2^3=8個のサブネットが作れ、要件の6つを満たします。
192.168.1.0/24 を最低6つのサブネットに分割するには、何ビット借りて、プレフィックスはいくつになるでしょう?
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2^s ≥ 6 を満たす最小のsは3(2^3=8)。3ビット借りるので、24+3= /27(サブネット8個、各サブネット30ホスト)になります。
パターン4:ブロードキャストアドレスを特定する
問題例:10.10.10.0/23 のブロードキャストアドレスはどれでしょう。
解説:/23 は第3オクテットが変化するマスクです。マスク値は 255.255.254.0 なので、マジックナンバーは256−254=2。区切りは0, 2, 4… で、対象の第3オクテット「10」はそのまま区切り値なので、ネットワークアドレスは 10.10.10.0、次の区切りは12です。ブロードキャストアドレスは12の1つ手前、つまり第3オクテット11、第4オクテット255の 10.10.11.255 になります(/23は2オクテットにまたがる点に注意)。
10.10.10.0/23 のブロードキャストアドレスは?
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マジックナンバー2。区切り0,2,4…で10は次の区切り12の手前。ブロードキャストアドレスは第4オクテットが全部1になる 10.10.11.255 です。
パターン5:所属サブネットを判定する
問題例:192.168.5.90 と 192.168.5.100 は、/27 で運用しているとき同じサブネットに属するでしょうか。
解説:/27 のマジックナンバーは32。区切りは0, 32, 64, 96, 128… です。90は64以上96未満の区間、100は96以上128未満の区間に入るため、別のサブネットに属します。90は 192.168.5.64/27 のネットワークに、100は 192.168.5.96/27 のネットワークに、それぞれ所属します。
192.168.5.90 と 192.168.5.100 は /27 で同じサブネットに属するでしょうか?
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マジックナンバー32。区切り0,32,64,96,128…。90は64〜95の区間、100は96〜127の区間に入るため、別のサブネットに属します(境界をまたいでいます)。
仕上げの1問:総合力チェック
172.20.16.0/22 の有効ホスト数と、ネットワークアドレス・ブロードキャストアドレスをすべて答えてください。
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/22 はホスト部10ビットなので有効ホスト数は 2^10−2=1022台。マスク値は255.255.252.0なので第3オクテットのマジックナンバーは256−252=4。区切りは0,4,8,12,16…で16はちょうど区切り値なので、ネットワークアドレスは 172.20.16.0、次の区切り20の手前、つまりブロードキャストアドレスは 172.20.19.255 です。
試験でのポイント
サブネッティングのドリルで最も重要なのは、「毎回同じ手順を機械的に繰り返す」ことです。試験では時間のプレッシャーの中で焦って2進数変換に頼ろうとしがちですが、マジックナンバー方式を体に染み込ませておけば、暗算に近いスピードで正確に解けます。特に、パターン5(所属サブネット判定)のように「2つのアドレスが同じサブネットか」を問う問題では、区切りをまたいでいないかを丁寧に確認することが引っかけ回避のコツです。また /23 のように複数オクテットにまたがるケースも出題されるため、慌てず対象オクテットを正しく見極めましょう。
5パターン全部解けたね、お疲れさま! ネットワークアドレス特定、有効ホスト範囲、必要サブネット数からのプレフィックス決定、ブロードキャスト特定、所属サブネット判定——この5つはCCNA試験の定番中の定番だから、何度も繰り返して体に覚え込ませてね。次はいよいよ実機、Cisco IOSでIPアドレスを設定していくよ。