これまで「スイッチはMACアドレステーブルを作る」と説明してきましたが、その中身は実際にどうやって確認できるのでしょうか?
帳簿の存在を知っていても、実際に開いて見たことがなければピンときませんよね。IOSにはそのための専用コマンドがあります。想像しながら読み進めてください。
「住所録」を実際に開いてみる
ここまで概念として説明してきたMACアドレステーブルを、今回は実機のコマンドで実際に覗いてみましょう。CCNA試験では、コマンドの出力結果を読み取らせる問題も多く出るため、見え方に慣れておくことがとても大切です。
show mac address-table
MACアドレステーブルの中身を表示するコマンドは show mac address-table です。
Switch# show mac address-table
Mac Address Table
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Vlan Mac Address Type Ports
---- ----------- -------- -----
1 0011.2233.4455 DYNAMIC Fa0/1
1 00aa.bbcc.ddee DYNAMIC Fa0/3
1 0050.5678.abcd STATIC CPU
出力には主に4つの列があります。
- Vlan:そのMACアドレスがどのVLANに属しているか
- Mac Address:学習した機器のMACアドレス
- Type:
DYNAMIC(動的に学習したもの)かSTATIC(管理者が固定的に設定したもの、またはスイッチ自身のアドレス)か - Ports:そのMACアドレスの機器につながっているポート
Fa0/1やFa0/3は、それぞれのポートの先に実際の機器がぶら下がっていることを示しています。DYNAMICのエントリは、前回学んだエージング(300秒)の対象になり、通信がなければ自動的に消えていきます。
特定のポートやMACアドレスを絞り込む
覚えているエントリが多いスイッチでは、全部を一覧表示すると見づらくなります。そこで、条件を絞り込んで表示することもできます。
Switch# show mac address-table interface fastEthernet 0/1
Switch# show mac address-table address 0011.2233.4455
前者は「特定のポートに学習されているMACアドレス」を、後者は「特定のMACアドレスがどのポートで学習されているか」を調べるのに便利です。トラブルシューティングの現場では、「このPCはどのポートにつながっているはずなのに、テーブルに見当たらない」といった調査によく使われます。
テーブルをクリアする
まれに、古い情報が残ったままになっていて確認作業の邪魔になることがあります。そのときはテーブルを手動でクリアできます。
Switch# clear mac address-table dynamic
このコマンドで動的に学習したエントリがすべて削除され、次の通信からまた学習し直されます。STATICのエントリはこのコマンドでは消えません。
show mac address-table の出力で、あるMACアドレスの Type が DYNAMIC と表示されていました。このエントリについて正しいのはどれでしょう?
答えを見る
答えは「通信がない状態が一定時間(デフォルト300秒)続くと自動的に削除される」です。DYNAMIC はスイッチが通信を見ながら自動学習したエントリを意味し、エージングタイムの対象になります。これに対して STATIC は管理者が固定登録したエントリや、スイッチ自身に関するエントリで、自動では消えません。
試験でのポイント
CCNA試験では、show mac address-table の出力を見せて「このMACアドレスはどのポートの先にいるか」「このエントリはいつ消えるか」を読み取らせる問題が定番です。Vlan・Mac Address・Type・Portsという4つの列の意味を正確に押さえておきましょう。また、clear mac address-table dynamic はDYNAMICエントリのみを削除し、STATICエントリには影響しない点も、選択肢の引っかけとして狙われやすいポイントです。
clear mac address-table dynamic を実行すると、何が起こるでしょう?
答えを見る
答えは「動的(DYNAMIC)に学習されたMACアドレスエントリがすべて削除される」です。STATICとして設定されているエントリは削除されず、削除された分は以降の通信によって再び学習し直されます。
実際のコマンド、イメージ湧いたかな。show mac address-tableで住所録の中身、DYNAMICとSTATICの違い、覚えておいてね。次はいよいよ、この章の本題であるVLANに入っていくよ。