スイッチの「住所録」であるMACアドレステーブルは、電源を入れてからずっと同じ内容が保存され続けるのでしょうか?
Stage01で「学習・転送・フラッディング」という3ステップを学びました。では、一度覚えた住所録の中身は、いつまで有効なのでしょう。少し考えてから読み進めてください。
Stage03の入り口はMACアドレステーブルから
いよいよStage03、スイッチングとVLANの章です。ここではIPアドレスの世界からいったん離れ、レイヤー2(データリンク層)の世界に戻ります。まずはStage01で学んだ内容を振り返り、そこに新しい視点を1つ加えていきましょう。
復習:学習・転送・フラッディング
スイッチは電源投入直後、何も知らない状態からスタートします。そこからMACアドレステーブルという住所録を、通信を見ながら自分で育てていきます。
- 学習:受け取ったフレームの送信元MACアドレスと、入ってきたポート番号をセットで記録する
- 転送:宛先MACが住所録にあれば、そのポートだけにフレームを送る
- フラッディング:宛先MACが住所録にまだ無ければ、受け取ったポート以外の全ポートに送る
新人の受付係が、最初は誰がどの席にいるか知らず、応対しながら少しずつメモを増やしていく——という例え話でしたね。この基本動作は、Stage03全体を通じてずっと前提になる知識です。
新しい視点:住所録には「賞味期限」がある
ここで1つ、新しい話を加えます。MACアドレステーブルのエントリは、永遠には残りません。一定時間その送信元MACからフレームが来なければ、エントリは自動的に削除されます。これをエージングと呼び、Cisco IOSのデフォルトでは300秒(5分)です。
なぜ消す必要があるのでしょうか。住所録がずっと肥大化し続けると、メモリを圧迫しますし、機器を別のポートに繋ぎ替えたときに古い情報が残ってしまいます。受付係のメモ帳も、異動した社員の情報をいつまでも残していたら、かえって混乱の元になりますよね。定期的に情報を更新することで、テーブルは常に「今つながっている機器の実態」を反映できるのです。
まとめ:Stage03はこの土台の上に積み上がる
このあとStage03では、コリジョンドメインとブロードキャストドメインの違い、IOSでの実際の確認コマンド、そしてVLANによるネットワーク分割へと話を進めていきます。どの話も「スイッチはMACアドレステーブルを見てフレームを転送する」という基本の上に成り立っています。土台を忘れずに、次に進みましょう。
スイッチのMACアドレステーブルにあるエントリは、Cisco IOSのデフォルトで何秒間通信がないと削除されるでしょう?
答えを見る
答えは300秒(5分)です。これをエージングタイムと呼びます。一定時間通信のない送信元MACのエントリを自動的に削除することで、テーブルを最新の状態に保っています。
試験でのポイント
CCNA試験では、MACアドレステーブルの基本動作(学習・転送・フラッディング)に加えて、エージングタイムの数値(デフォルト300秒)が単独で問われることがあります。「なぜ消す必要があるのか」という理由まで理解しておくと、応用的な問題にも対応しやすくなります。また、スイッチが学習するのは常に送信元MACアドレスであり、宛先MACアドレスではない、という点も混同しやすいので注意しましょう。
スイッチがフレームを受信したとき、MACアドレステーブルに記録するのは「送信元MAC」と「宛先MAC」のどちらでしょう?
答えを見る
答えは送信元MACアドレスです。宛先MACアドレスは「どのポートに送るか」を判断するために使いますが、テーブルに新しく記録されるのは、受け取ったフレームの送信元MACアドレスと、それが入ってきたポート番号のペアです。
Stage01の復習、しっかり思い出せたかな。学習・転送・フラッディングに加えて、エージングタイム300秒っていう新しい数字も覚えておいてね。次はコリジョンドメインとブロードキャストドメインの違いを見ていくよ。