第0章 0-1 / サーバーを手に入れる

Lightsailを契約する

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前提:特になし(これが講座の出発点です)。この講座は「読む」だけでなく「叩く」ことが目的なので、練習台になる本物のLinuxサーバーが必要です。そこで使うのがAmazon Lightsailという、AWS(Amazon Web Services)が提供するサーバーの貸し出しサービスです。このページだけは黒い画面が一切登場しません。ブラウザの画面を見ながら、AWSアカウントの作成からUbuntu 24.04 LTSインスタンスの起動確認までを一緒に進めます。

正直に言うと、この先は月額で数ドル程度の課金が発生します。無料ではありません。裏を返せば、ここで財布を開けるかどうかが「なんとなく黒い画面を眺める人」と「本気でLinuxを使えるようになる人」の分かれ道です。このページを乗り越えた時点で、あなたはもう本気の受講者です。

STEP 1 ― AWSアカウントを作成する

LightsailはAWS※1(Amazon Web Services)というサービス群のひとつです。まずAWSのアカウントを持っていない場合、以下の手順でアカウントを作成します。

  1. ブラウザで https://aws.amazon.com/jp/ にアクセスし、右上の「コンソールにサインイン」または「無料アカウント作成」を選びます。
  2. メールアドレス、パスワード、アカウント名(任意の名前でかまいません)を入力します。
  3. 連絡先情報(個人/ビジネス、氏名、住所、電話番号)を入力します。個人利用であれば「個人」を選んで問題ありません。
  4. 支払い情報としてクレジットカードを登録します。Lightsailの利用にはカード登録が必須です。
  5. 電話番号によるSMSまたは音声認証で本人確認を行います。
  6. サポートプラン(Basicは無料)を選択して、アカウント作成を完了します。

アカウント作成が完了したら、「AWS マネジメントコンソール」にサインインできる状態になります。

POINT

AWSアカウント作成時のルートユーザー(最初に作るアカウント)は、すべての操作ができる強力な権限を持っています。この講座の範囲ではルートユーザーのままで進めて問題ありませんが、実務ではこのユーザーを日常使いせず、権限を絞った別ユーザー(IAMユーザー)を作るのが一般的です。今は「そういうものがある」と知っておくだけで十分です。

STEP 2 ― Lightsailコンソールへ移動する

AWSマネジメントコンソールにサインインしたら、Lightsailの管理画面に移動します。

  1. コンソール上部の検索ボックスに「Lightsail」と入力し、検索結果から「Lightsail」を選びます。
  2. 初めてアクセスすると、Lightsailの紹介画面が表示されます。「インスタンスの作成」に進めるボタンを探します。

Lightsailは通常のAWS(EC2など)に比べて設定項目が少なく、月額固定料金でサーバーを借りられるのが特徴です。この講座で難しいネットワーク設定を最小限に抑えられているのも、Lightsailを選んでいる理由のひとつです。

ゆみちゃん
ゆみ

AWSのコンソールってサービスの数が多くてびっくりするよね! でも今回使うのはLightsailだけだから、他のサービスは気にしなくて大丈夫だよ。検索ボックスに「Lightsail」って打つだけで一発で見つかるから安心して!

STEP 3 ― Ubuntuインスタンスを作成する

「インスタンスの作成」画面で、以下の設定を選んでいきます。インスタンス※2とは、Lightsail上で動く1台分のサーバーのことだと考えてください。

  1. インスタンスロケーション(リージョン):「変更する」からアジアパシフィック(東京)を選びます。リージョン※3はサーバーが実際に設置されている地域のことで、日本から使うなら東京を選ぶと通信の遅延(レイテンシ)が小さくなります。
  2. プラットフォームを選択:「Linux/Unix」を選びます。
  3. 設計図を選択:「OSのみ」タブからUbuntu 24.04 LTSを選びます。LTS※4は「Long Term Support」の略で、長期間サポートが続く安定版という意味です。
  4. SSHキーペア:「新規作成」を選ぶか、デフォルトのキーペアをそのまま使います。ここで作成した鍵は0-2のSSH接続で使うので、名前を控えておきましょう。
  5. インスタンスプランを選択:最も安いプラン(執筆時点で最安の月額固定プラン)を選びます。この講座のドリルを叩く程度であれば、最安プランのスペックで十分です。
  6. インスタンス名:わかりやすい名前(例:linux-drill)を付けます。
  7. 画面下部の「インスタンスの作成」ボタンを押します。
POINT

設計図(OSの種類)を選ぶ画面では、WordPressなど「アプリ+OS」がセットになった設計図も並んでいますが、この講座ではLinuxコマンドそのものを学ぶため、必ず「OSのみ」タブのUbuntu 24.04 LTSを選んでください。似た名前の項目を間違えて選ぶと、最初から余計なソフトウェアが入った状態になってしまいます。

STEP 4 ― 料金についての注意

Lightsailはクラウド※5サービスの一種で、使った分だけ・あるいは選んだプランに応じて料金がかかる従量制/固定制の課金モデルです。執筆時点では、最も安いインスタンスプランは月額数ドル程度から利用できますが、料金は変更されることがあるため、契約前に必ずLightsailの公式サイトで最新の料金を確認してください。本ドリルでは断定的な金額を記載しません。

なお、最初の一定期間は無料枠が案内される場合がありますが、これも時期やアカウントの状況によって変わります。「今表示されている金額」を自分の目で確認してから作成ボタンを押す習慣をつけましょう。使い終わったサーバーは、講座の最終章(7-3)で削除して課金を止める手順まで扱います。

POINT

「壊したらどうしよう」と怖がる必要はありません。Lightsailのインスタンスはいつでも削除して作り直せます。この講座でsudoやroot権限を遠慮なく扱うのも、Lightsailなら失敗してもやり直しがきくからです。

ゆみちゃん
ゆみ

お金がかかるって聞くとちょっと身構えちゃうかもしれないけど、缶コーヒー数本分くらいの月額で本物のサーバーが触れるって考えると、意外と安いと思わない? あたしも最初にこの画面を見たときはドキドキしたけど、料金画面をちゃんと確認するクセをつけておけば全然怖くないよ!

STEP 5 ― インスタンスの起動を確認する

「インスタンスの作成」を押すと、Lightsailの「インスタンス」一覧画面に戻ります。作成したインスタンスのカードに、以下の状態が表示されれば成功です。

  1. インスタンス名の横のステータスが「保留中」から「実行中」に変わるまで、数十秒〜数分待ちます。
  2. インスタンスのカードをクリックして詳細画面を開き、「パブリック IP」欄に割り当てられたIPアドレス(例:xx.xx.xx.xx)が表示されていることを確認します。このIPアドレスは0-2でSSH接続する際に使うので、控えておきましょう。
  3. 「接続」タブに切り替えると、ブラウザ内蔵ターミナルへのボタンが表示されます。これは次のページ(0-2)で使います。

ここまで確認できれば、自分専用のUbuntuサーバーが手に入った状態です。次のページでは、このサーバーに実際に接続(SSH)して、初めて黒い画面に触れます。

まとめ

0-1では、コマンドを1つも打たずに、AWSアカウントの作成からUbuntu 24.04 LTSインスタンスの起動確認までを行いました。このページで押さえておきたい用語を一覧にまとめます。

用語意味
AWSAmazon Web Services。Amazonが提供するクラウドサービス群の総称。
クラウド自分でサーバーの機械を持たず、インターネット経由で借りて使う仕組み。
LightsailAWSの中でも設定項目を絞り、月額固定料金でサーバーを借りられるサービス。
インスタンスLightsail上で実際に動いている1台分のサーバーのこと。
リージョンサーバーが物理的に設置されている地域。今回は東京を選択。
Ubuntu 24.04 LTSこの講座で使うLinuxディストリビューション(OS)のバージョン。長期サポート版。
パブリックIPインターネット上からそのサーバーを特定するための住所にあたる番号。

次のページ「0-2. SSHで接続する」では、ここで作ったサーバーに実際に接続し、初めてのコマンドを打ちます。

脚注 ─ 用語解説
  1. AWS … Amazon Web Servicesの略。Amazonが提供するクラウドコンピューティングサービス群の総称。サーバーやストレージ、データベースなど幅広いサービスを含む。
  2. インスタンス … クラウド上で実際に稼働している仮想的なサーバー1台のこと。本講座ではLightsail上のUbuntuサーバーを指す。
  3. リージョン … クラウドサービスの提供元がサーバーを設置している地理的な地域の単位。近いリージョンを選ぶほど通信が速くなりやすい。
  4. LTS … Long Term Supportの略。通常より長い期間、セキュリティ更新などのサポートが提供されるソフトウェアの版。安定運用向け。
  5. クラウド … 自分で物理的な機械を用意せず、インターネットを通じて必要な分だけサーバーやストレージを借りて使う仕組みの総称。