変動係数 – 標準偏差の相対化
変動係数とは、データの標準偏差を平均値で割ったもので、データの相対的なばらつきを示す指標です。平均値を分母にすることで、割合としてみることができます。
この記事で学習できること
- 変動係数
変動係数が大きければ大きいほど、データのばらつきが大きく、平均値からのズレが大きいことを意味します。逆に、変動係数が小さい場合は、データのばらつきが少なく、平均値が安定していることを示します。
データのばらつきを比較するとき、比べる単位がそれぞれ違う場合は、この「変動係数」がとても役に立つんだよ。
第8講座
変動係数 = 標準偏差 ÷ 平均値
例えば、来店数の平均値が50人として、標準偏差が10人とします。また、顧客単価の平均値を2,000円として、標準偏差を1,000円とします。
この2つの標準偏差を見比べてみると「10」と「1000」です。データの絶対的なばらつきしかわからないため、異なる単位を持つデータを比較するのには適していません。
しかし、変動係数は平均に対するばらつきの割合を出力するため、比較することに特化しています。
来店数の変動係数が20%、顧客単価の変動係数が50%としてデータを読んでみると、来店数よりも、顧客単価の変動係数のほうが高いため、顧客の購買行動にかなりのムラがあるのでは? という気づきを得ることができます。
こう考えると、変動係数の使い方がイメージしやすいですよね。
講師業が見る変動係数
もう1例挙げてみましょう。
例えば、講座レビューにおける評価データを使って考えてみましょう。2つの異なる講座で得られた評価が、次のように異なるとします。
- 講座A: 平均評価が4.5、標準偏差が0.5
- 講座B: 平均評価が3.0、標準偏差が0.9
● 講座Aの変動係数
0.5 ÷ 4.5 = 0.111
講座Bの変動係数
0.9 ÷ 3.0 = 0.3
講座Bの評価が、講座Aよりも相対的にばらついていることがわかります。
つまり、講座Bには案内の不備があったか、難易度がユーザー層とマッチしていなかったかなどが推察されます。
まとめ
変動係数は、データのばらつきを相対的に評価できます。
異なる単位を持つデータを比較する際には、標準偏差ではなく変動係数を用いることで、データのばらつきを公平に比較して、情報を読み取ることができるのです。
計算式は簡単なので、こちらはさっと覚えてしまいましょう。
標準偏差ってこんなところにも使えるので、すごい値ですよね