STAGE 03 / EtherChannelと総演習

PT演習 3-4:LACPでEtherChannelを組む

考えてみよう

スイッチ間を2本のケーブルでつなぐと、STPは片方をブロックしてしまいます。この2本を「1本の太いリンク」として両方使い切るには、どんな設定が必要でしょう?

座学で「EtherChannelはSTPから見ても1本のリンクに見える」「LACPのactive/passiveの組み合わせで成立するかどうかが決まる」と学びました。今回は実際に2本束ねて、Port-channelが1つ出来上がる様子を確認します。

この演習でできるようになること

使用トポロジ

Switch 2960を2台(SW1・SW2)用意し、Fa0/1・Fa0/2の2本のリンクで接続します。PCはSW1・SW2それぞれに1台ずつ接続し、EtherChannel構成後も通信が正常に行えることを確認します。

2台のスイッチをLACPで束ね、Port-channel1として認識されている状態
2台のスイッチをLACPで束ね、Port-channel1として認識されている状態

準備

  1. Switch 2960を2台(SW1・SW2)、PC-PTを2台(PC0・PC1)配置する
  2. SW1のFa0/1とSW2のFa0/1をクロスケーブルで接続する
  3. SW1のFa0/2とSW2のFa0/2をクロスケーブルで接続する(この時点ではまだEtherChannel化しない)
  4. PC0をSW1のFa0/3に、PC1をSW2のFa0/3にそれぞれストレートケーブルで接続する
  5. PC0・PC1に同一セグメントのIPアドレスを設定する(例:PC0=192.168.1.10/24、PC1=192.168.1.11/24)

手順

  1. EtherChannel化する前に、STPの状態を確認しておく

SW1# show spanning-tree

Fa0/1・Fa0/2のどちらか一方が非指定ポート(ブロッキング相当)になっていることを確認します。2本つないでいても、実際に使われているのは1本だけであることが分かります。

  1. SW1側で、束ねたい2つのポートをまとめてLACP・activeモードに設定する

SW1(config)# interface range FastEthernet0/1-2
SW1(config-if-range)# channel-group 1 mode active

  1. SW2側も同様にactiveモードで設定する

SW2(config)# interface range FastEthernet0/1-2
SW2(config-if-range)# channel-group 1 mode active

  1. 論理インターフェースPort-channel1が自動生成されていることを確認する

SW1# show etherchannel summary

  1. PC0からPC1へpingを打ち、EtherChannel経由で正常に通信できることを確認する

C:\> ping 192.168.1.11

  1. 応用として、SW2側だけをpassiveモードに変更し、成立の可否を確認する

SW2(config)# interface range FastEthernet0/1-2
SW2(config-if-range)# channel-group 1 mode passive

SW1がactiveのままであれば、active+passiveの組み合わせなので成立し続けます。もしSW1側もpassiveに変更してしまうと、passive同士になりEtherChannelは成立しなくなることも確認してみましょう。

確認

SW1# show etherchannel summary

Flags:  D - down        P - bundled in port-channel
        I - stand-alone s - suspended
        ...
Group  Port-channel  Protocol    Ports
------+-------------+-----------+-----------------------------------------------
1      Po1(SU)         LACP      Fa0/1(P)  Fa0/2(P)

Po1(SU)Sは「レイヤー2チャネルとして動作中」、Uは「使用中(in use)」を意味し、Fa0/1(P)Fa0/2(P)Pはそのポートが正しく束ね(bundle)られていることを示します。

SW1# show spanning-tree

Interface           Role Sts Cost      Prio.Nbr Type
-------------------- ---- --- --------- -------- --------------------------------
Po1                 Desg FWD 12        128.65   P2p

EtherChannel化後は、STP上でもFa0/1Fa0/2が個別に表示されるのではなく、Po1という1本の論理インターフェースとしてのみ表示されるようになります。

合格チェックリスト

つまずきポイント

確認問題

SW1のFa0/1・Fa0/2をchannel-group 1 mode active、SW2の同じポートをchannel-group 1 mode passiveに設定しました。EtherChannelは成立するでしょうか?

答えを見る

成立します。LACPでは「少なくとも一方が能動的(active)であればよい」という原則があります。SW1がactiveでSW2がpassiveの組み合わせは、能動側が交渉を開始するため正常にEtherChannelが形成されます。成立しないのはpassive同士の組み合わせだけです。

ゆみちゃん
ゆみ

2本のリンクがPort-channel1という1本の論理インターフェースにまとまる瞬間、show etherchannel summaryのPマークを見るとちょっと感動するよ。STAGE03はこれで実機演習も含めて完了、お疲れさま。次はいよいよSTAGE04、ルーティングの世界に入っていくよ。