スイッチ間を2本のケーブルでつなぐと、STPは片方をブロックしてしまいます。この2本を「1本の太いリンク」として両方使い切るには、どんな設定が必要でしょう?
座学で「EtherChannelはSTPから見ても1本のリンクに見える」「LACPのactive/passiveの組み合わせで成立するかどうかが決まる」と学びました。今回は実際に2本束ねて、Port-channelが1つ出来上がる様子を確認します。
この演習でできるようになること
- 2台のスイッチ間を2本のリンクで接続し、
channel-groupでEtherChannelを構成できるようになる - LACPの
active/passiveモードの組み合わせによって成立するかどうかを確認できるようになる show etherchannel summaryでPort-channelの状態を確認できるようになる
使用トポロジ
Switch 2960を2台(SW1・SW2)用意し、Fa0/1・Fa0/2の2本のリンクで接続します。PCはSW1・SW2それぞれに1台ずつ接続し、EtherChannel構成後も通信が正常に行えることを確認します。
準備
- Switch 2960を2台(SW1・SW2)、PC-PTを2台(PC0・PC1)配置する
- SW1のFa0/1とSW2のFa0/1をクロスケーブルで接続する
- SW1のFa0/2とSW2のFa0/2をクロスケーブルで接続する(この時点ではまだEtherChannel化しない)
- PC0をSW1のFa0/3に、PC1をSW2のFa0/3にそれぞれストレートケーブルで接続する
- PC0・PC1に同一セグメントのIPアドレスを設定する(例:PC0=192.168.1.10/24、PC1=192.168.1.11/24)
手順
- EtherChannel化する前に、STPの状態を確認しておく
SW1# show spanning-tree
Fa0/1・Fa0/2のどちらか一方が非指定ポート(ブロッキング相当)になっていることを確認します。2本つないでいても、実際に使われているのは1本だけであることが分かります。
- SW1側で、束ねたい2つのポートをまとめてLACP・activeモードに設定する
SW1(config)# interface range FastEthernet0/1-2
SW1(config-if-range)# channel-group 1 mode active
- SW2側も同様にactiveモードで設定する
SW2(config)# interface range FastEthernet0/1-2
SW2(config-if-range)# channel-group 1 mode active
- 論理インターフェース
Port-channel1が自動生成されていることを確認する
SW1# show etherchannel summary
- PC0からPC1へpingを打ち、EtherChannel経由で正常に通信できることを確認する
C:\> ping 192.168.1.11
- 応用として、SW2側だけを
passiveモードに変更し、成立の可否を確認する
SW2(config)# interface range FastEthernet0/1-2
SW2(config-if-range)# channel-group 1 mode passive
SW1がactiveのままであれば、active+passiveの組み合わせなので成立し続けます。もしSW1側もpassiveに変更してしまうと、passive同士になりEtherChannelは成立しなくなることも確認してみましょう。
確認
SW1# show etherchannel summary
Flags: D - down P - bundled in port-channel
I - stand-alone s - suspended
...
Group Port-channel Protocol Ports
------+-------------+-----------+-----------------------------------------------
1 Po1(SU) LACP Fa0/1(P) Fa0/2(P)
Po1(SU)のSは「レイヤー2チャネルとして動作中」、Uは「使用中(in use)」を意味し、Fa0/1(P)・Fa0/2(P)のPはそのポートが正しく束ね(bundle)られていることを示します。
SW1# show spanning-tree
Interface Role Sts Cost Prio.Nbr Type
-------------------- ---- --- --------- -------- --------------------------------
Po1 Desg FWD 12 128.65 P2p
EtherChannel化後は、STP上でもFa0/1・Fa0/2が個別に表示されるのではなく、Po1という1本の論理インターフェースとしてのみ表示されるようになります。
合格チェックリスト
- EtherChannel化する前は、2本のリンクのうち1本がSTPでブロッキングになっていることを確認した
channel-group 1 mode activeを両スイッチに設定したshow etherchannel summaryでPo1(SU)が表示され、Fa0/1(P)・Fa0/2(P)と両ポートが束ねられている- PC0からPC1へのpingが成功する
show spanning-treeでPo1が1本の論理インターフェースとして表示されている- SW1を
active、SW2をpassiveにしても成立することを確認した
つまずきポイント
- モードの組み合わせミス:両方を
passiveにしてしまうと、どちらも相手からの働きかけを待つだけなのでEtherChannelは永遠に成立しません。最低どちらか一方はactiveにする必要があります - ポート設定の不一致:束ねる2つのポートで、スイッチポートモードやVLAN設定が食い違っていると、EtherChannelがうまく成立しません。
interface rangeでまとめて設定することで、設定のずれを防げます - ケーブル抜き忘れによる混乱:EtherChannel化する前に片方のリンクだけ抜き差ししてテストしていると、
show etherchannel summaryの表示が意図と異なって見えることがあります。2本とも接続された状態で確認しましょう
SW1のFa0/1・Fa0/2をchannel-group 1 mode active、SW2の同じポートをchannel-group 1 mode passiveに設定しました。EtherChannelは成立するでしょうか?
答えを見る
成立します。LACPでは「少なくとも一方が能動的(active)であればよい」という原則があります。SW1がactiveでSW2がpassiveの組み合わせは、能動側が交渉を開始するため正常にEtherChannelが形成されます。成立しないのはpassive同士の組み合わせだけです。
2本のリンクがPort-channel1という1本の論理インターフェースにまとまる瞬間、show etherchannel summaryのPマークを見るとちょっと感動するよ。STAGE03はこれで実機演習も含めて完了、お疲れさま。次はいよいよSTAGE04、ルーティングの世界に入っていくよ。