STAGE03で学んだVLAN・トランク・STP・EtherChannel・VTP、それぞれ単体では理解したつもりでも、試験形式で横断的に問われたときに即答できるでしょうか?
CCNA試験では、1つのトピックだけを深掘りする問題より、複数のトピックを組み合わせた総合問題が多く出題されます。このドリルでSTAGE03全体の知識をつなげ直しておきましょう。
このレッスンはドリル専用。STAGE03の全体像を総ざらい
STAGE03では、スイッチングの基礎からVLAN、トランク、VLAN間ルーティング、STP、EtherChannel、DTP/VTPまでを学んできました。ここでは試験でよく出る5つの出題パターンを、実戦形式で確認していきます。
パターン1:VLANとアクセスポートの設定
問題例:スイッチのポートFastEthernet0/5を、VLAN30専用のアクセスポートとして設定するコマンドの並びとして正しいものはどれでしょう。
Switch(config)# interface FastEthernet0/5
Switch(config-if)# switchport mode access
Switch(config-if)# switchport access vlan 30
解説:まずインターフェースモードに入り、switchport mode accessでアクセスモードに固定します。その上でswitchport access vlan 30により、そのポートが所属するVLANをVLAN30に指定します。VLAN30自体が事前にvlan 30コマンドで作成されている必要がある点も忘れないでください。
ポートを特定のVLANに所属させるコマンドはどれでしょうか?「switchport mode access」だけで十分でしょうか?
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不十分です。switchport mode accessはポートの動作モードをアクセスに固定するだけで、所属VLANは決まりません。所属VLANを指定するにはswitchport access vlan <番号>が別途必要です。
パターン2:トランクの許可VLANとネイティブVLAN
問題例:あるトランクポートでswitchport trunk native vlan 99が設定されている一方、対向のスイッチではswitchport trunk native vlan 1のままだった場合、何が起こるでしょうか。
解説:ネイティブVLANはトランク上でタグ付けされずに送られる唯一のVLANです。両端のネイティブVLANが不一致だと、片方がVLAN99のつもりで送ったタグなしフレームを、もう片方はVLAN1のフレームだと誤認識してしまいます。これはVLANリークやCDPの警告(ネイティブVLANミスマッチ)を引き起こす典型的な設定ミスです。
トランクの両端でネイティブVLANの設定が異なっていた場合、どのような問題が起こるでしょうか?
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ネイティブVLANミスマッチが発生し、タグなしフレームが意図しないVLANのものとして誤って解釈されてしまいます。異なるVLAN間でトラフィックが混在する原因になり、セキュリティ・通信両面のトラブルにつながります。
パターン3:STPルートブリッジの選出
問題例:次の3台のスイッチのうち、ルートブリッジになるのはどれでしょう。
| スイッチ | ブリッジプライオリティ | MACアドレス |
|---|---|---|
| SW1 | 32768 | 0011.2233.4455 |
| SW2 | 24576 | 0011.2233.9999 |
| SW3 | 24576 | 0011.2233.1111 |
解説:ルートブリッジはブリッジIDが最小のスイッチです。まずプライオリティを比較すると、SW2とSW3が24576で並び、SW1の32768より小さいので、この時点でSW1は脱落します。SW2とSW3はプライオリティが同点のため、次にMACアドレスを比較します。0011.2233.1111(SW3)の方が0011.2233.9999(SW2)より小さいので、SW3がルートブリッジになります。
上記の表で、もしSW3のプライオリティが「32768」だった場合、ルートブリッジはどれになるでしょうか?
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その場合はSW1が32768、SW2が24576、SW3が32768となり、最小のプライオリティを持つのはSW2(24576)だけになるため、SW2がルートブリッジになります。プライオリティの比較だけで決着がつき、MACアドレスの比較は不要です。
パターン4:EtherChannelのモード組み合わせ判定
問題例:SW1のポートをchannel-group 1 mode auto、SW2のポートをchannel-group 1 mode autoに設定した場合、EtherChannelは成立するでしょうか。またSW1をdesirable、SW2をautoにした場合はどうでしょうか。
解説:autoはPAgPの受け身モードです。auto同士は、どちらも相手からの働きかけを待つだけなので成立しません。一方、desirable(積極的)とauto(受け身)の組み合わせでは、desirable側が交渉を始めるため成立します。「少なくとも一方が積極的モードであること」がEtherChannel成立の条件です。
LACPで、SW1をactive、SW2をpassiveに設定した場合、EtherChannelは成立するでしょうか?
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成立します。LACPも「少なくとも一方が能動的(active)であればよい」という原則は同じです。成立しないのはpassive同士の組み合わせだけです。
パターン5:STPポート役割の判定
問題例:ルートブリッジではないスイッチSWXにおいて、ポートAはルートブリッジまでのコストが4、ポートBは同じセグメントでコストが19だったとします。SWXにおいて、ポートAとポートBはそれぞれ何の役割になるでしょうか(両ポートともルートブリッジへの経路上にあるとします)。
解説:非ルートブリッジのスイッチには、ルートブリッジまでのコストが最小のポートが1つだけルートポートになります。コスト4のポートAの方がコスト19のポートBより小さいため、ポートAがルートポートです。もう一方のポートBは、そのセグメントにおいてルートブリッジへのコストがより大きい側なので、指定ポートになれなければ非指定ポート(ブロッキング)になります。
非ルートブリッジのスイッチにおいて、ルートブリッジまでのコストが最小のポートの役割は何と呼ばれるでしょうか?
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ルートポートです。各非ルートブリッジのスイッチには必ず1つだけ存在し、常にフォワーディング(転送)状態になります。
仕上げの1問:総合力チェック
VTPをserverモードで運用しているスイッチでVLANを新規作成しました。同じVTPドメイン内のclientモードのスイッチでは、このVLANはどうなるでしょうか? また、もしそのclientスイッチが過去に高いコンフィグレーションリビジョン番号を持っていた場合、何に注意すべきでしょうか?
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通常、clientモードのスイッチは自動的にVLAN情報を受信し、同じVLANが反映されます。ただし、コンフィグレーションリビジョン番号は「情報の新しさ」を示す値であり、より高いリビジョン番号を持つ情報が優先されます。もしclientスイッチが過去に高いリビジョン番号を保持していた場合、本来受け取るべき正しい情報より自分の古い情報の方が優先されてしまい、意図せず本番環境のVLANデータベースを上書き・削除してしまう事故につながる可能性があります。
試験でのポイント
このドリルで扱った5パターン——VLAN/アクセスポート設定、トランクとネイティブVLANの一致、STPルートブリッジ選出(プライオリティ→MACアドレスの順)、EtherChannelのモード組み合わせ(能動側が最低1つ必要)、STPポート役割判定(コスト最小がルートポート)——は、CCNA試験のスイッチング分野で繰り返し出題される定番パターンです。特にルートブリッジ選出とポート役割判定は、図やテーブルを読み取る形式で出題されることが多いため、プライオリティとMACアドレスの比較、コストの大小関係を素早く見抜く練習を重ねておきましょう。
STAGE03、お疲れさま! スイッチングの復習から始まって、VLAN、トランク、VLAN間ルーティング、STP、EtherChannel、DTP/VTPまで、盛りだくさんだったね。特にSTPのルートブリッジ選出とポート役割判定は、図を見て即座に判断できるようになるまで繰り返し練習してね。次はいよいよSTAGE04、ルーティングの世界に入っていくよ。ルーターの仕事とルーティングテーブルから見ていこう。