情報技術の発展

Evolving Technology

発展する情報技術

情報技術の発展のスピードは速く、次々と新しい技術が生活の中に入り込んできています。代表的なものをいくつか見てみましょう。

3Dプリンタ(データをもとに立体物を作り出す機械)は、設計図にあたる3Dデータさえあれば、樹脂や金属を少しずつ積み重ねて実際の立体物を作り出せます。試作品づくりだけでなく、医療や建築の分野にも応用が広がっています。プロジェクションマッピング(建物や物体の形に合わせて映像を投影する技術)も、身近になった技術のひとつです。建物の壁面などをスクリーンにして映像を映し出す演出は、イベントや観光の現場でよく見かけるようになりました。

VR(仮想現実、Virtual Reality=ゴーグルなどを通じて仮想の世界に入り込む技術)とAR(拡張現実、Augmented Reality=現実の風景にデジタルの情報を重ねて表示する技術)も、私たちの生活に浸透してきました。位置情報とARを組み合わせたスマートフォンゲームが世界的な人気を集めたこともあり、多くの人が知らないうちにこの技術に触れています。そして電子マネーも、情報技術の発展を語るうえで欠かせない存在です。これについては、次の項目でじっくり考えてみましょう。

電子マネーについて考えてみましょう

買い物の支払い方法は、この数年で大きく様変わりしました。現金だけでなく、クレジットカードや電子マネー、コード決済(スマートフォン画面のバーコードやQRコードを使う支払い方法)など、選択肢はどんどん増えています。

クレジットカードは、利用のたびに加盟店が手数料を負担する仕組みで、その決済会社の多くは海外に本社を置いています。つまり日本国内での買い物であっても、手数料の一部は海外へ流れていくことになります。一方電子マネーも手数料が発生する点はクレジットカードと同じですが、多くは国内の事業者が運営しているため、手数料は国内にとどまりやすいという違いがあります。

こうした決済手段の普及の度合いは、国によっても差があります。海外にはカード1枚がないと買い物ができないほどキャッシュレス化が進んだ国もある一方、日本はどちらかというとキャッシュレス化が遅れていると言われています。現金を引き出すためのATM(現金自動預け払い機)の数も少しずつ減ってきており、社会全体が少しずつ、現金を前提としない仕組みへと移りつつあります。

考えてみましょう ― あなたは普段、どんな電子マネーやコード決済を使っていますか。何種類くらいを使い分け、チャージ(入金)はどのタイミングで、いくらくらい行っていますか。使い分けの理由まで振り返ってみると、自分の支払い行動の癖が見えてきます。

セルフレジ

セルフレジ(客自身が会計を行うレジ)も、身近になった情報技術のひとつです。メリットとしては、店舗側の人件費を削減できることが大きく、最初は操作に戸惑っても、覚えてしまえばスタッフがいなくても会計が回るようになります。人手を接客や品出しなど、他の業務に振り向けられる点も見逃せません。

一方でデメリットもあります。操作に不慣れな人がレジを使うと行列ができてしまうことがありますし、スキャンし忘れ(スキャン漏れ)が起きる可能性もあります。店員とのやり取りがない分、人間味を感じにくいという声もあります。また、酒類などは年齢確認が必要なため、セルフレジでは購入できない場合があります。

もっと深く ― タッチするだけ、の裏側DEEP DIVE

ここからは、基礎の一歩先の話です。初心者の方は読み飛ばして構いません。でも、電子マネーを毎日使っている方ほど「そうだったのか」となる話です。

「かざす」と「読み取る」は、別の技術

ひとくちに電子マネーといっても、支払いの方式は大きく2種類あります。Suicaや交通系ICカードのように端末にかざすだけで支払える方式は、非接触型IC(NFC=Near Field Communication、近距離無線通信)というしくみを使っています。カードの中にある小さなICチップと端末が、電波を使って一瞬でデータをやり取りしているのです。

一方、PayPayのようなコード決済はQRコードやバーコードをカメラで読み取る方式です。画面に表示されたコードには、決済に必要な情報が図形として埋め込まれており、レジ側の端末(またはスマートフォン自体のカメラ)がそれを撮影して読み取ります。かざすだけの方式より一手間かかりますが、専用の読み取り機がなくてもスマートフォン1台で導入できるため、小さな店舗でも取り入れやすいという利点があります。

方式が違えば、向いている場面も違う

改札のように一瞬で大量の人をさばく必要がある場面では非接触型ICが強く、導入コストを抑えたい小規模な店舗ではコード決済が広がりやすい——それぞれの技術には、得意な場面があります。同じ「電子マネー」というくくりの中にも、しくみの違う技術が同居しているのです。

教室のひとこま

最後に、このテーマを教えるとき、教室で毎回のように交わされるやりとりを。

受講者
先生は電子マネー、何種類くらい使い分けているんですか?
講師講師
私はPayPayを中心に使っていて、残高がなくなったら1万円ずつチャージすると決めています。細かく管理しなくていいので、私にはそれくらいの単位がちょうどいいんです。
受講者
海外でもキャッシュレス化ってそんなに進んでいるんですか?
講師講師
進んでいる国はかなり進んでいますよ。シンガポールに行ったときは、カードがないと本当に何も買えなくて驚きました。
講師メモ ― 現場から

研修でこのテーマを扱うと、参加者の年代によって「使っている電子マネーの種類」がはっきり分かれます。若い世代はコード決済を複数併用している方が多く、年配の世代は交通系ICカード1枚にまとめている方が多い印象です。どちらが正解というわけではなく、自分の生活リズムに合った1〜2種類に絞るのが、結局いちばん続けやすいようです。

← 情報Ⅰ トップへ戻る