時計の合わせ方
Clock時計は右下にいる
パソコンの時計を探すなら、見る場所は決まっています。タスクバー(画面いちばん下の帯)の、いちばん右端です。そこは通知領域と呼ばれる一角で、日付と時刻がずっと表示され続けています。お店の壁にかかった時計と同じで、探す必要はありません。いつも同じ場所にいると覚えてしまえば、それで十分です。
この日付と時刻の表示は、クリックすると開きます。開くのはカレンダーと、届いた通知の一覧です。「今日は何曜日だっけ」「さっきの通知、何が来ていたっけ」というとき、右下をクリックする癖をつけておくと便利です。タスクバー全体の役割については、別のレッスンで詳しく扱っています。
実は、自動で合っている
腕時計や壁掛け時計は、誰かが手で針を合わせない限り、絶対にずれません。逆に言えば、合わせるのを忘れれば、いつまでもずれたままです。ところがパソコンの時計は違います。自分からインターネット上の時計に合わせにいっているのです。人間で言えば、腕時計を見るのではなく、電話をかけて「いま何時ですか」と毎回確認しているようなものです。だから、ふだんは誰も時計を合わせていないのに、ちゃんと正確なままなのです。
この自動合わせが本当にオンになっているかは、次の手順で確認できます。
- スタートボタンをクリックし、歯車のマークの「設定」を開きます。
- 左側のメニューから「時刻と言語」を選びます。
- 「日付と時刻」の画面で、「時刻を自動的に設定する」のスイッチがオンになっていることを確認します。
このスイッチがオンなら、あとはパソコンにお任せです。何もしなくても、時計は正確なまま保たれます。
ずれたときの直し方
「自動なのに、なぜかずれている」ということが、まれに起こります。よくある原因は2つです。ひとつはタイムゾーン(世界のどの地域の時刻を使うかという設定)が、本来の国と違う場所になっている場合。これだと時刻そのものではなく、基準にする地域がずれているので、何時間もの差が出ます。もうひとつは、インターネットへの問い合わせ自体が何らかの理由で失敗し、しばらく合わせにいけていない場合です。
直し方は簡単です。先ほどの「日付と時刻」の画面に、「今すぐ同期」というボタンがあります。これを押すと、その場でもう一度インターネット上の時計に問い合わせにいきます。タイムゾーンがずれている場合は、同じ画面でタイムゾーンを正しい地域に選び直してください。どうしても自分の手で時刻を決めたいという場合は、「時刻を自動的に設定する」をオフにすれば、手動で時刻を入力できるようになります。
時計のずれは、見た目以上に実害が出ます。Webページが開けなくなったり、メールの送受信時刻がおかしくなったりするのは、たいてい時計のずれが原因です。多くのWebサイトは「今の時刻」を使って安全確認をしているため、パソコンの時計が大きくずれていると、正しい相手なのに疑わしいと判断されてしまうのです。時計は、思っている以上にいろいろな場所で働いています。
ここからは、基礎の一歩先の話です。初心者の方は読み飛ばして構いません。でも、パソコン歴の長い方ほど「そうだったのか」となる話です。
①パソコンの中には、ボタン電池が入っている
パソコンのコンセントを何日間抜いていても、電源を入れ直すと時計は正しい時刻を示します。これは、マザーボード(パソコンの中の一番大きな基板)の上に、腕時計にも使うような小さなボタン電池が乗っているからです。この電池が、電源が来ていない間も、時計を動かし続ける役目を担っています。古いパソコンで「起動するたびに時計が2001年に戻ってしまう」という現象を見かけることがありますが、あれはこの電池が寿命を迎えて、時計を保持できなくなったサインです。
②time.windows.com ― 世界中のパソコンが問い合わせにいく先
Windowsが時刻を確認しにいく先は、time.windows.comというサーバーです。世界の正確な時刻の大元をたどると、原子時計(振動の周期を使って、極めて高い精度で時を刻む時計)にたどり着きます。その時刻を、インターネットを通じて世界中のパソコンに配る仕組みをNTPと呼びます。ふだん意識することはありませんが、世界中の何億台ものパソコンが、この仕組みのおかげで同じ時刻を共有できているのです。
教室のひとこま
最後に、このテーマを教えるとき、教室で毎回のように交わされるやりとりを。
講師
講師「パソコンの時計は自動で合っている」と話すと、多くの方が意外そうな顔をされます。腕時計や壁掛け時計しか知らないと、時計は「合わせるもの」という感覚が染みついているからです。ここで「自分から電話をかけて時刻を聞きにいっている」というたとえを出すと、みなさん納得してくださいます。
実際に教室で多かったのは、海外出張から戻ったばかりの方のパソコンです。現地でタイムゾーンを変えたまま戻ってきて、「なぜか時計が数時間おかしい」と相談を受けたことが何度もありました。原因はほぼ100%タイムゾーンの設定で、直すとその場で解決するので、驚かれると同時に安心もしていただけるやりとりでした。