タスクバーは画面の一等地
Taskbarタスクバーとは
画面のいちばん下に、細長い帯があるのに気づいているでしょうか。それがタスクバーです。どんなアプリを開いても、どれだけ画面いっぱいに広げても、この帯だけは隠れません。常にいちばん手前に居座り続ける、特別な場所です。
駅前の一等地を思い浮かべてください。人通りが多く、誰もが必ず通る場所には、コンビニや銀行、目立つ看板が集まります。タスクバーも同じです。Windowsは、誰もが必ず目にするこの一等地に、いちばん使う機能を集めています。逆に言えば、タスクバーに何があるかを知っておくと、パソコンの「よく使う道具箱」がひと目で分かるようになります。
電源の入れ方と切り方ですでに登場した田んぼの「田」の形のマーク——あれもこのタスクバーの住人のひとりです。今日は、その一等地に何が並んでいるのか、順番に見て回ります。
タスクバーの中身を見て回る
タスクバーは、左から右へ役割が分かれています。まず左から中央にかけて。いちばん目立つ場所にいるのが、スタートボタン(田の形のマーク)です。パソコンの操作はここから始まる、いわば一等地の入口です。その隣には検索の虫眼鏡のマークがあり、アプリの名前を打ち込んで探すのに使います。そしてそこから右へ、日ごろよく使うアプリのアイコンが並んでいます。これはピン留めと呼ばれる仕組みで並べられたもので、詳しくは次の項で説明します。
次に、右端です。ここには通知領域と呼ばれる小さな一角があり、時計・音量・電池残量・そして「あ」や「A」と書かれた文字が並んでいます。時計については時計の設定で、「あ」と「A」の切り替えについては言語バーで、それぞれじっくり扱いますので、ここでは「右端に集まっている」とだけ覚えておいてください。
つまりタスクバーは、左に「これから何かを始める」ための道具、右に「いまのパソコンの状態」を映す小窓が集まった帯だということです。一等地の中でも、入口側と案内板側に分かれている、とイメージすると整理しやすくなります。
ピン留めと、開いているアプリの見分け
よく使うアプリを、毎回スタートボタンから検索して開くのは手間です。そこで使うのがピン留めです。アプリのアイコンをタスクバーに常駐させておき、いつでも1クリックで開けるようにする機能です。一等地に自分の店を出しておくようなものだと考えてください。
たとえばメモ帳をよく使うなら、ピン留めしておくと便利です。やり方はとても簡単です。
- まず一度、いつもの方法でメモ帳を開きます。開くと、タスクバーにメモ帳のアイコンが一時的に現れます。
- そのアイコンを右クリックします。
- 出てきたメニューから「タスクバーにピン留めする」をクリックします。これで、メモ帳を閉じたあともアイコンが残り続けるようになります。
ここでひとつ、迷いやすいポイントがあります。タスクバーに並んでいるアイコンの中には、ピン留めされているだけで閉じているものと、いま実際に開いて動いているものが混ざっています。見分け方は簡単です。アイコンの下に細い線が出ているか、アイコンの背景がうっすら色づいているか——それが「いま開いている」という印です。アイコンの下の線と背景の色を見れば、閉じているアプリと開いているアプリを見分けられます。
そして、開いているアプリを切り替えたいときも、タスクバーが働きます。切り替えたいアプリのアイコンをクリックするだけで、そのウィンドウが手前に出てきます。デスクトップ上でウィンドウを探し回る必要はありません。一等地に並んだ看板を指させば、その店がすぐ前に出てくる——そんな感覚です。
ここからは、基礎の一歩先の話です。初心者の方は読み飛ばして構いません。でも、パソコン歴の長い方ほど「そうだったのか」となる話です。
タスクバーはWindows 95生まれ
実はタスクバーもスタートボタンも、大昔からあったわけではありません。1995年に登場したWindows 95ではじめて採用された発明品です。それまでのパソコンは、開いたアプリがどこにあるか自分で探すしかありませんでした。「いま何が起動しているか」を1本の帯にまとめて常に見せる、というアイデアは、当時としては画期的な発明で、以来30年、形を変えながらずっと生き続けています。
かつては、上下左右どこにでも動かせた
長くパソコンを使ってきた方の中には、タスクバーを画面の上や、左右の端にくっつけて使っていた人もいるはずです。Windows 95からWindows 10までの長い間、タスクバーはドラッグひとつで画面の上下左右どこにでも動かせました。縦長にして左端に置き、横幅を目いっぱい使う——そんな独自の流派を持つ人も少なくありませんでした。
Windows 11で下固定、そして真ん中寄せへ
ところがWindows 11になると、この自由が失われました。タスクバーは画面の下だけに固定され、上下左右に動かす機能そのものがなくなったのです。長年、自分好みの場所にタスクバーを置いてきたユーザーの間では、当時ちょっとした騒ぎになりました。同時にアイコンの並びも、画面の左寄せから中央寄せに変わりました。一等地の場所そのものは選べなくなった代わりに、その一等地の中身は真ん中に寄せて目立たせる——そんなデザインの変化が、Windows 11では起きています。
教室のひとこま
最後に、このテーマを教えるとき、教室で毎回のように交わされるやりとりを。
講師
講師タスクバーの説明でいちばん多く受ける質問が、「アプリを閉じたはずなのに、まだアイコンが残っている」というものです。ピン留めされているアイコンと、実際に開いているアプリのアイコンが同じ見た目に近いため、初めのうちは混同してしまう方がほとんどです。そのたびに私は「アイコンの下の線を見てください。線がなければ、それはただの看板です」と伝えるようにしています。
もうひとつ印象的なのが、長年パソコンを使ってきた方ほど、Windows 11でタスクバーが下に固定されたことに戸惑う場面です。「前は横に立てて使っていたのに」という声を何度も聞いてきました。そのたびに、慣れた操作が新しいバージョンで変わってしまう戸惑いは、初心者の緊張とはまた違う種類のものなのだと感じさせられます。