電源オプションの設定
Power Options画面が真っ暗=故障、ではない
パソコンをつけたまま、お茶をいれに席を立つ。戻ってくると、画面が真っ暗——。初心者の方はここで青ざめます。「壊してしまった」「消してしまった」と。
安心してください。壊れていません。パソコンは、しばらく操作されないと自動で画面を消し、さらに放っておくと浅い眠り(スリープ)に入るようにできています。電気の節約のための、正常な居眠りです。マウスをそっと動かすか、キーボードのどれかを押せば、すぐ目を覚まします。
そして大事なのはここからです。この「何分で画面を消すか」「何分でスリープするか」は、自分で決められます。その設定場所が、今日の主役電源オプションです。
設定の場所 ― 画面オフとスリープの時間
Windows 11 では、次の場所にあります。
- スタートボタンをクリックし、「設定」(歯車のマーク)をクリックします。
- 左のメニューで「システム」を選び、右の一覧から「電源」(ノートパソコンでは「電源とバッテリー」)をクリックします。
- 「画面とスリープ」を開くと、「画面の電源を切る時間」と「スリープ状態にする時間」を、それぞれ分単位で選べます。
おすすめの考え方はこうです。画面オフは短めでいい(画面はすぐ復帰するので、5〜10分で困りません)。スリープは自分の生活に合わせて(頻繁に居眠りされて煩わしいなら30分、外出が多いノートなら10分、など)。正解はひとつではありません。「自分で決められる」と知っていることが正解です。
電源ボタンの意味は、変えられる
電源の入れ方と切り方のページで、「切るのはボタンではなく画面から」とお伝えしました。実はあのとき、話を少しだけ簡単にしていました。種明かしをすると、電源ボタンを押したときに何が起きるかは、設定で変えられるのです。
多くのパソコンでは、電源ボタンを押すと「スリープ」または「シャットダウン」になるよう最初から設定されています。この割り当ては、電源オプションの設定(機種により「電源ボタンの動作を選択する」という画面)で、スリープ/休止状態/シャットダウン/何もしないから選べます。ノートパソコンなら、ふたを閉じたときの動作も同じ場所で選べます。「ふたを閉じたら眠る」は、あれも設定のひとつだったのです。
それでも、初心者のうちは「切るのは画面から」をおすすめします。画面からの操作なら、保存し忘れた文書があるときにちゃんと画面で教えてくれるからです。ボタン一発の便利さは、保存の習慣が身についてからでも遅くありません。
設定画面に「休止状態」という選択肢が出てきました。スリープと何が違うのか。眠りの深さが違います。
スリープ ― 作業机はそのまま、電気だけ暗く
スリープは、作業中の内容をメモリ(作業机)に置いたまま、電気を最小限に絞る眠りです。目覚めは数秒と速いのが長所。ただし、机の上を保つためにわずかに電気を使い続けます。ノートパソコンで長期間放置すると、バッテリーが少しずつ減っていくのはこのためです。
休止状態 ― 机の上を全部ノートに書き写して、消灯
休止状態(ハイバネーション)は、作業中の内容をディスク(保管庫)に全部書き写してから、電源を完全に切る眠りです。電気は一切使いません。そのかわり、目覚めるときに書き写した内容を読み戻すので、復帰はスリープより遅い。長時間ならスリープより休止、という使い分けです。
高速スタートアップの正体、ふたたび
ここまで来ると、電源のページの「もっと深く」で話した高速スタートアップの正体が、より鮮明になります。あれは「シャットダウン」と「休止状態」の合いの子です。あなたの作業は終了させつつ、Windows自身の中核部分だけ休止状態と同じ方法でディスクに書き残す。だから起動が速く、だから完全な眠りではない——2つのページの知識が、ここでつながりました。
教室のひとこま
このテーマを教えるとき、教室で毎回のように起きるやりとりを。
講師研修会場のパソコンは、スリープまでの時間が短く設定されていることが多く、講義を聞いている数分のあいだに画面が消えます。すると初心者の方は、ほぼ例外なく「壊した」と青ざめる。だから私は、講座の早い段階で「画面が消えたら、マウスを撫でる」を先に教えてしまいます。たったこれだけで、教室から悲鳴が消えます。