金利とは何か

What is Interest?

金利は「お金のレンタル料」 ― 友人に10万円貸すとしたら

友人から「10万円貸してほしい」と頼まれたとします。友人を信頼していますし、手元に貸せるお金もあります。それでも、条件をまったくつけずに、ただ黙って貸す人は少ないのではないでしょうか。

まず、貸している間、その10万円を自分で使うことはできません。急な出費があっても、欲しいものが見つかっても、我慢するしかありません。さらに、もし友人が約束どおりに返してくれなかったら、その10万円はそのまま戻ってこない可能性もあります。

この「使えない間の我慢」と「返ってこないかもしれないリスク」への対価として、貸した側が受け取るお金が金利(お金を貸し借りするときに、借りた側が貸した側に支払う対価)です。金利は、お金という「モノ」を一定期間借りるための、いわばレンタル料だと考えると分かりやすくなります。

金利があるからこそ、貸す側は安心してお金を差し出せます。私たちが銀行に預けたお金にわずかでも利息がつくのも、企業が銀行からお金を借りて工場を建てられるのも、この金利という仕組みが土台にあるからです。

銀行はなぜ金利を取るのか ― 貸し倒れ・調達コスト・利ざや

家計・企業・政府・銀行の役割で見たとおり、銀行はお金の余っているところから、足りないところへ橋渡しする仲介役です。この橋渡しにも、友人同士の貸し借りと同じ理屈が働いています。

銀行がお金を貸すとき、貸した相手が必ず返してくれるとは限りません。事業がうまくいかず返済が滞る貸し倒れ(お金を貸した相手から、約束どおりに返済を受けられなくなること)に備えて、銀行は金利の中に、その分の余裕をあらかじめ織り込んでいます。

加えて銀行自身、貸し出す元手を無から作っているわけではありません。預金者に利息を払って集めたお金をもとに、貸し出しを行っています。この元手を集めるコストも、貸出金利に反映されます。

預金者に払う金利と、貸出先から受け取る金利の差を利ざや(銀行が貸し出す金利と、預金者に支払う金利の差。銀行の収益源の一つ)と呼びます。銀行が金利を取るのは、一方的に得をするためというより、貸し倒れのリスクと調達コストをまかない、仲介役としての事業を成り立たせるための仕組みなのです。

「年利」の読み方 ― 100万円を年1%で借りたら

ニュースで「年利1%」「年利3%」といった表現を目にします。この年利(1年間お金を借りたときにかかる利息の割合)の読み方を、具体的な数字で確認しておきましょう。

年1%で100万円を1年間借りたとします。1年後に支払う利息は、100万円 × 1% = 1万円です。元金の100万円に利息の1万円を足した101万円を、1年後に返す計算になります。

ここで押さえておきたいのが、単利と複利の違いです。単利(もとの元金にだけ利息がつく計算方法)であれば、2年目も同じ100万円に対して1%、つまり1万円の利息がつきます。一方複利(利息にもさらに利息がつく計算方法)であれば、2年目は「元金100万円+1年目の利息1万円」の101万円に対して1%の利息がつくため、利息はわずかに増えます。

金利が低く期間も短いうちは、単利と複利の差はごくわずかです。しかし期間が長くなるほど、この差はじわじわ広がっていきます。長期の借り入れや貯蓄を考えるとき、どちらの計算方法かを知っておくと、数字の見え方が変わってきます。

もっと深く ― 金利も「お金の値段」DEEP DIVE

ここからは、基礎の一歩先の話です。読み飛ばしても本筋は追えます。

需要と供給で決まる、という見方

なぜ物価は上がるのかで見たように、モノの値段は、欲しい人が多く量が少ないほど上がりやすくなります。実は、金利にもこれと似た理屈が働きます。お金を借りたい人が多く、貸せるお金が少ない状況では、金利には上がる方向の力がかかります。逆に、借りたい人が少なく、貸せるお金が余っている状況では、金利には下がる方向の力がかかります。

つまり金利は、いわばお金という商品の値段だと考えることができます。景気が良くなり「設備投資のためにお金を借りたい」という企業が増えれば、お金の需要が高まり、金利は上がりやすくなります。逆に、誰もお金を借りたがらない状況では、金利は下がりやすくなります。

もっとも、実際の金利、特に短期の金利の水準は、この需要と供給だけでなく、中央銀行である日本銀行の金融政策によって大きく左右されます。この仕組みについては、次のテーマで詳しく見ていきます。

考えてみるTHINK
Q1

「金利ゼロで貸して」と頼まれたら、貸す側は何が困るでしょうか?

ヒント: このページで見た「使えない間の我慢」「返ってこないかもしれないリスク」「調達コスト」を思い出してみましょう。

Q2

預金の金利と住宅ローンの金利に差があるのは、なぜでしょうか?

ヒント: 銀行が受け取る金利と、支払う金利。その差が何と呼ばれていたか思い出してみましょう。

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