Microsoft Copilot の使い方
CopilotCopilotとは ― 副操縦士という名前の意味
Windows 11には、標準でAIアシスタント「Microsoft Copilot」が搭載されています。名前のcopilotは、飛行機の「副操縦士」という意味の英語です。操縦かんを握るのはあくまで自分で、隣の席に座って、調べものや書きもの、パソコンの操作の相談に付き合ってくれる相棒。それがCopilotだと思ってください。
「調べもの」という点では、以前のレッスン「はじめてのWeb検索」で覚えた検索と役割が重なって見えるかもしれません。でも中身はまったく違います。検索が図書館で本を探すことだとすれば、Copilotに聞くのは詳しい友人に聞くことです。図書館で本を探せば戻ってくるのは「資料の一覧」ですが、友人に聞けば返ってくるのは「会話の返事」です。この違いを覚えておくだけで、Copilotの使いどころがぐっと見えやすくなります。
開き方 ― まずは話しかけてみる
Copilotの開き方は、以前「メモ帳ではじめての文書保存」で覚えたアプリの探し方とまったく同じです。タスクバー(画面下の細長い帯)にCopilotのアイコンが並んでいることが多いので、まずはそこを探してみましょう。見当たらなければ、スタートボタンから「Copilot」と検索して開く、という手順です。
近ごろ発売されているキーボードの中には、専用のCopilotキーが並んでいる機種も出てきました。押すだけでCopilotが開く、というだけの話ですので、見かけても身構える必要はありません。
- タスクバーにCopilotのアイコンがないか探します。
- 見当たらなければ、スタートボタンを押して「Copilot」と検索して開きます。
- 画面の下にある入力欄に、話しかけたい内容をそのまま打ち込みます。
最初の一言に迷ったら
入力欄を前にして、何を打ち込めばいいのか分からず固まってしまう方は少なくありません。安心してください。最初の一言は、挨拶でも雑談でも構いません。それでも実用の入口として、おすすめしたい方向が3つあります。
①調べもの――「〇〇って何? 小学生にも分かるように教えて」というように、知りたいことをそのまま尋ねる。②書きもの――「町内会のお知らせ文を書いて。日時は…」というように、材料だけ渡して文章づくりを任せてみる。③パソコンの操作相談――「画面の文字を大きくしたい」というように、この講座で覚えてきた操作の延長として頼ってみる。どれも、身構えずに済む入口です。
話し言葉のままでいい、敬語もいらない。友人に相談するときそのままの言葉で十分に伝わります。むしろ丁寧に整えようとして手が止まるくらいなら、思いついた言葉をそのまま打ち込んでしまうほうが、Copilotとは早く仲良くなれます。
つきあい方の注意 ― 守ることは2つだけ
Copilotの返事は、検索結果のように「どこかのページから引っ張ってきた事実」ではありません。その場で言葉を組み立てて作られる、いわば「作文」です。だから、自然な口調のまま、堂々と間違えることがあります。声のトーンや文章のなめらかさと、内容の正しさは、まったく別のものだと知っておいてください。
守ってほしいことは、2つだけです。ひとつ、日付・金額・人名など事実の確認が必要なことは、以前のレッスン「はじめてのWeb検索」で覚えた検索で裏を取ること。もうひとつ、住所やパスワードといった個人情報は書き込まないこと。この2つさえ守っておけば、怖がる必要はありません。
ここからは、基礎の一歩先の話です。初心者の方は読み飛ばして構いません。でも、パソコン歴の長い方ほど「そうだったのか」となる話です。
中身は「次の言葉当てゲーム」
Copilotの中に入っている大規模言語モデルという仕組みは、膨大な量の文章を読み込んで、「この言葉の次には、どんな言葉が来やすいか」をひたすら学習したものです。意味を理解して答えているというより、確率の高い言葉のつながりを、ものすごい速さで選び続けている——それがAIの正体です。
だから、事実と違うことも滑らかに言う
この仕組みのおかげで、Copilotの文章はとても自然でなめらかです。しかし「なめらかに言葉をつなぐ」ことと「正しいことを言う」ことは、別の能力です。だから、事実とは違うことを、まるで本当のことのように滑らかに言ってしまうことがあります。これをハルシネーション(幻覚)と呼びます。
よく喋る博識な友人、ただし記憶違いも自信満々
結論はシンプルです。Copilotは「よく喋る博識な友人」だと思ってください。ただし、記憶違いも自信満々に話す友人です。頼りにしていいけれど、鵜呑みにはしない。そのくらいの距離感が、ちょうどよいつきあい方です。
もうひとつ、覚えておくと得をする話があります。質問の言い方ひとつで、返ってくる答えの質は大きく変わります。このコツは「AIへの質問の仕方」で扱います。
教室のひとこま
最後に、このテーマを教えるとき、教室で毎回のように交わされるやりとりを。
講師
講師Copilotを開いても、入力欄を前にして固まってしまう方が本当に多いです。「何か立派な質問をしないといけない」と思い込んでいるようで、そういうときは「今日の晩ごはん何にしようか、って聞いてみましょうか」と誘うと、たいてい肩の力が抜けて打ち始めます。相手が友人だと分かれば、身構えなくなるのです。
逆に、話しかけるコツをつかんだ方ほど、Copilotの返事を全部そのまま信じ込んでしまう場面も見てきました。だから私は「よく喋る博識な友人。ただし記憶違いも自信満々に話す」という言い方を、はじめのうちから繰り返し伝えるようにしています。頼りにしてよいけれど、鵜呑みにはしない。この距離感は、一度で伝わるものではなく、何度も言葉を変えて伝え続ける必要があると感じています。