ファイルの圧縮方法(ZIP形式)

ZIP

圧縮とは ― ひとつの袋にまとめて、小さくする

圧縮とは、たくさんのファイルをひとつの袋にまとめて、まとめて小さくすることです。旅行の荷造りで使う布団圧縮袋を思い浮かべてください。かさばる布団を袋にぎゅっと詰め込み、掃除機で空気を抜くと、驚くほどコンパクトになります。圧縮も同じ発想で、ファイルという「かさばるもの」をひとつの袋に詰め込み、中の余分な空気を抜いて小さくする作業です。

こうしてまとめてできた袋のことを、ZIPファイルと呼びます。アイコンをよく見ると、袋にファスナーが描かれているのに気づくはずです。実はzipは英語で「ファスナー」という意味の単語で、その名前がそのままファイル形式の名前になっています。ファスナーを閉めればひとつの袋、開ければ中身が取り出せる——そのイメージのまま覚えてしまって構いません。

何のために使うのか ― 主役は「まとめて渡す」

圧縮の用途はいろいろありますが、初心者がまず出会うのは「まとめて渡す」という場面です。たとえばメールにファイルを10個、ばらばらのまま添付しようとしたことはありませんか。送るほうも一苦労ですが、受け取ったほうはもっと大変です。10個のファイルをひとつずつ開いて保存する羽目になります。ここでZIPの出番です。10個のファイルをひとつのZIPファイルにまとめておけば、添付するのは1つだけ。受け取った側も、ひとつ開けば全部そろっています。

もうひとつ、実務でZIPに出会う瞬間があります。フォルダは、そのままではメールに添付できません。フォルダごと相手に送りたいときは、ZIPにするしかないのです。「フォルダを送ってください」と言われて困った経験がある方は、理由はこれです。フォルダをまるごとZIPという袋に詰めてしまえば、それはもう「ひとつのファイル」なので、普通に添付できるようになります。

圧縮のしかた ― 右クリックから、ひと手間

実際の操作は、とても簡単です。まとめたいファイルやフォルダを選んで右クリックすると、メニューの中に「ZIP ファイルに圧縮する」という項目が出てきます。それをクリックするだけで、選んだものがひとつのZIPファイルにまとまります。

  1. まとめたいファイルやフォルダを選び、右クリックします。複数まとめて選びたいときは、Ctrlキーを押しながらクリックしていくと、複数選択できます。
  2. メニューから「ZIP ファイルに圧縮する」をクリックします。同じ場所に新しいZIPファイルが作られます。
  3. できたZIPファイルの名前を、分かりやすいものに付け替えます。付け方の流儀はフォルダの名前の付け方と同じです。

ここで安心してほしいことがひとつあります。ZIPファイルを作っても、元のファイルは消えずに、そのまま残ります。圧縮は「コピーして袋に詰める」作業であって、「移動させる」作業ではありません。ZIPを作ったあとに元のファイルを消すかどうかは、あなたの自由です。まずは残ったまま試してみて、慣れてから判断すれば十分です。

もっと深く ― 圧縮の正体と、縮まないファイルの話DEEP DIVE

ここからは、基礎の一歩先の話です。初心者の方は読み飛ばして構いません。でも、ふだんZIPを使っている方ほど「そうだったのか」となる話です。

圧縮は「まとめ書き」でできている

圧縮袋の空気を抜くように、パソコンの圧縮も何かを「抜いて」小さくしています。抜いているのは空気ではなく、繰り返しの無駄です。たとえば「AAAAAAAA」という8文字は、「Aが8個」と書き直せば、ぐっと短くなります。中身の中に繰り返しのパターンを見つけ、それを短い書き方に置き換える——これが圧縮の正体です。文章のファイルのように、同じ文字や同じ並びが繰り返し出てくるものほど、この置き換えがよく効くので、大きく縮みます。

写真や動画は、ほとんど縮まない

経験者でも意外と知らない話をひとつ。JPEGの写真や動画のファイルをZIPにしても、サイズがほとんど変わらないことがあります。故障ではありません。実はJPEGや動画の形式は、それ自体がすでに繰り返しの無駄を抜き終えた圧縮済みの形式だからです。圧縮済みの布団圧縮袋を、もう一度大きな圧縮袋に入れるところを想像してください。中にはもう抜ける空気が残っていません。「ZIPにしたのに小さくならない」は、故障ではなく当然の結果なのです。ファイルの大きさそのものの感覚は、ストレージとファイルサイズの感覚のページとつながっています。

教室のひとこま

最後に、このテーマを教えるとき、教室で毎回のように交わされるやりとりを。

受講者
写真をたくさんZIPにしたんですけど、全然サイズが小さくならないんです。壊れちゃったんでしょうか……。
講師講師
壊れていませんよ、それが正解なんです。写真の形式は、もう圧縮済みの袋なんです。圧縮袋をもう一度圧縮袋に入れても、抜ける空気は残っていないんですよ。
受講者
なるほど……。ちなみに、ZIPにしたら元のファイルって消えちゃうんですか?
講師講師
消えません、そのまま残ります。ZIPは新しい袋をひとつ作るだけなので、心配せずどんどん試してみてください。
講師メモ ― 現場から

ZIPを教えると、必ず一定数の方が「圧縮したのにファイルが増えて、逆に容量を圧迫している気がする」と言います。これは、元のファイルとZIPファイルの両方が残っているために起きる勘違いです。「ZIPは新しく袋を作っているだけで、中身をコピーして詰めている」と説明すると、たいてい納得してもらえます。

もうひとつ多いのが、「ZIPファイルの中身をそのまま編集しようとして、うまく保存できない」という相談です。これはZIPの中を「開いて見ている」だけで、実際に編集するにはいったん外に取り出す必要がある、という話につながっていきます。開く側の作法は、また別のページで丁寧に扱います。

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